化学物質過敏症の問題
洗剤、香水、タバコなど身近な原因
2009年10月に厚生労働省が化学物質過敏症を病名として認めました。中毒の1つとして分類されています。
洗剤、香水、タバコなど身近にある化学物質にも反応することも多いため、発症すると生活が困難になりやすいという問題を抱えています。
化学物質過敏症の症状
化悪物質を吸い込んだり触れたりすることで症状が現れます。症状は人により異なりますが、のどや鼻の粘膜への刺激、息切れ(呼吸困難)など、呼吸器系への症状が多く見られます。他にも吐き気、動悸、頭痛など、様々な症状があり、これらが一度に出る場合もあります。
特にタバコは毒性が強いため、重い症状が出る人も多くいるようです。
タバコによる原因
昔はタバコのアレルギーという言われ方をすることもありましたが、タバコに含まれる化学物質による過敏症です。
タバコはこれまでにガンや肺疾患などの多くの健康被害が報告されていますが、化学物質過敏症の場合、それとは異なります。微量でも吸い込んだとたんに症状が現れ、様々な不調をもたらします。副流煙は喫煙者から周囲7メートルまで達すると言われています。
室内を避けてマンションのベランダなどで吸う場合でも、室内の有害物質の量は3割減るだけというデータがでています。
部屋に入るときの空気の流れや、服につけたり、肺の中にため込んて部屋の中に持ち帰ってしまうのです。拡散すると煙や匂いがはっきり判らなくなるため、普通の人は全く気づかないのですが、化学物質はまだ消えていないため、化学物質過敏症の人は症状がでてしまいます。
化学物質過敏症になると、非常に微量な量でも反応するため、喫煙直後の人が近くに来ただけで症状がでる人もいます。
香水、オーディコロン、シャンプー、整髪料などの香料について
タバコよりもなじみが少ないですが、合成香料として化学物質が使用されています。合成香料は、石油から得られた原料を化学反応させて作られています。香料を溶かす溶剤にも化学物質が含まれます。
香水により使われる化学物質は異なります。そのため香水アレルギーと言っても、多くの香水に症状が出る人もいれば、特定の香水のみに強い症状が出る人もいます。
匂いに化学物質が含まれるという事や、アレルギーのような症状が出る事になじみが少ないため、化学物質過敏症への理解が得にくいものの1つと言えます。
天然から合成へ ~ ムスク(じゃ香)の場合 需要が拡大した結果、合成ムスクが製造されるようになりました。 合成ムスクが使用された香水を分析すると、以下の成分が検出されています。
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問題点
外出時に副流煙や香水を付けた人を避けてすごすことが難しいため、発症すると大変苦労します。化学物質過敏症ついて浸透していないため、「単に苦手なだけ」 「神経質なだけ」と思われがちです。 病院で症状を伝えても、ストレスや精神的なものとして診断されるケースが少なくありません。
このため化学物質過敏症になっている事に気づいていない人も多く見られます。
潜在している化学物質過敏症患者の大きな問題点の1つです。